贈り物 「授乳」

 天使ザキエルが堕ちたきっかけはささいなことだった。
 漆黒のシェイドと手合わせをした後、シェイドが一口飲んだビンの水を口にした。ただそれだけのことだった。
 ビンを口にしたとき、ザキエルの中にわずかに熱が生まれた。心地よいその熱に戸惑いながらも、ザキエルがビンの水を一口飲んで返そうとすると、シェイドはニヤニヤと笑っていた。
「どうだ? 燃えてこねえ?」
 もちろん図星だ。
 ザキエルの中に生まれた熱は、小さいながらも全身に行き渡り、今まで感じたことのない心地よさを産んでいる。
「俺の唾が効いてるんだぜ、それ?」
「何……?」
 なおもニヤニヤと笑うシェイド。
「もっと味わってみねえか……?」
 そう言って、シェイドが右の手のひらを上に向け、人差し指を曲げてザキエルを誘う。濡れた舌を少し口から出している。
「う……」
 しばしの躊躇。だが、体内に籠もる心地よい熱が、ザキエルの判断力をそぎ落としていた。
「来いよ……」
 最後の一押し。シェイドの言葉に、まるで催眠術にかかったかのように、ザキエルは顔をシェイドに近づけ、その舌を唇でくわえた。
 クチュという湿った音が耳を打つ。
 シェイドが分泌した唾液を舌に沿わせて流すと、まるで喉の渇いた子供が水を飲むように、ザキエルはそれを舐め取り、飲み込んでいった。
「どうだ……?」
 長い間、そうやってシェイドはザキエルに唾液を飲ませ続けていたが、顔を離して囁くと、顔を上気させ、目を潤ませたザキエルがそこにいた。
「すごい……」
 かすれた声でザキエルが答える。
 ザキエルの中は、まるで何かに焼かれるかのように熱く火照っていた。だがそれは不快ではない。いや逆にあり得ないほどの快感だった。
「今度は、こっちから飲んでみるか?」
 そう言いながらザキエルは自分の胸を指す。
 鍛えられ発達した大胸筋の上に、適度に色素が沈着した乳首があった。
「え……?」
 まさか、乳が出るというのか? そんな疑問を表情に出して、ザキエルがシェイドを見上げる。
「俺の乳は、唾よりすげえぞ」
 耳元で囁くシェイド。
 ザキエルは、ゴクリと生唾を飲み込むと、次の瞬間にはシェイドの胸に口を付けていた。
「よーっく刺激しねえと出ねえからな。気張れよ」
 胸に顔を埋めて、必死に自分の胸を吸っているザキエルの肩を抱きながらシェイドが言う。
 シェイドは、その唾液だけではなく、あらゆる体液により、相手を魅了する能力の持ち主だった。それゆえ、子供を育てるための母乳とは異なる液体が、乳首からも分泌される。
 グチュ、チュバ、チュ……
 ザキエルは一心不乱にシェイドの乳首を舐め続けた。だが、まだ欲しているようなものは分泌されない。
「チンコを気持ちよくしてくれりゃ、出やすいぜ」
 シェイドに言われると、ザキエルは何の躊躇いもなく手を伸ばし、既に大きくなっているシェイドのチンコをズボンの上から握った。
「ん……」
 ギュウギュウと音を立てて刺激すると、シェイドが気持ちよさそうに鼻声を出す。
「どうだ、そろそろ出てきたろ?」
 シェイドの言葉通り、ザキエルの舌に、自分が吐き出した唾液とは異なる、もっと粘り気のある液体の感触があった。それは、先ほど味わった唾液よりも甘酸っぱかった。
「うまいか? たっぷり味わえよ」
 シェイドに言われるまでもない。ザキエルは分泌される体液を思う存分吸い続けた。それは、飲み込むたびに、ザキエルの中に今まで感じたことの無いような快感を生み出し、何度も一線を越えてしまっていた。そう、射精すること無しに、ザキエルは何度も達してしまっていたのだ。頭の中が真っ白に染まっていく。
 ザキエルは、シェイドのズボンをはだけると、既に凶器と化したシェイドのチンコを握りしめ、しごき始めた。
「お、大胆だねぇ」
 嬉しそうにシェイドが言う。だが、ザキエルに思考力はあまり残っていない。ただもっと大量に乳が欲しくなっただけのことだ。
「おぉっ! いいぜ。うまいじゃねえか」
 目と閉じて、シェイドが気持ちよさそうな声を出す。ザキエルはそれがなぜか嬉しくて、一心不乱にしごきつづけた。口の中には、もう収まりきらない位の乳が分泌されている。
「くうっ! いくぜ? いいな!?」
 シェイドの言葉に、ザキエル強く乳首を吸い上げ、チンコをギュっと握りしめることで答えた。
「んっ……。くっ……!」
 ビクビクと身体を震わせて、シェイドが射精する。大量の精液はシェイド自身の顔を汚し、ダラダラと垂れ落ちて、胸を白く染めていく。
 その瞬間だった。
 ザキエルが味わっていた乳の味が一変したのだ。刺すような強い刺激が舌に加わる。
「ん……!」
 その刺激は、ザキエルに残っていた理性の最後のひとかけらを完全に打ち砕いてしまった。
 口を離し、ぼうっとした目でシェイドを見る。
 ニヤニヤと笑いながらシェイドは自分の吐き出した精液を胸に塗り広げていた。顔にかかったものは気にしていないようで、口元から粘っこい精液が糸を引いて垂れ落ちている。
「これも、すごいんだぜ」
 そう言って、シェイドが指についた精液をザキエルの口元に突き出す。
「あ……」
 疑問に思うなどという理性は残っていない。ためらいなくザキエルはそれを口に含んだ。
「どうだ、うまいだろ?」
 シェイドが言う。
「え? あ……! あうっ!!」
 だがそれどころではなかった。ザキエルの全身に信じられないような衝撃が走り、触ってもいないチンコから射精してしまったのだ。
「ふん、いっちまったか。けど、まだこんなにたっぷり残ってるぜ?」
 シェイドが、白い精液でコートされた胸を指す。
 ザキエルは、そこにゆっくりと顔を近づけていった。
「それに、チンコにもまだまだたっぷり残ってるからよ。満足するまで飲ましてやるぜ……」
 ザキエルはその時、純粋な悦びを感じながら、シェイドの胸についた精液を舐め取っていたという……。