贈り物 「兄弟と兄弟」第1章

第1章 私刑

「ちきしょぉっ!」
 僕は悔しさのあまり、唇を噛み切ってしまう。口の中で血の味がしたけど、そんなもの気にならなかった。目には涙が溜まってしまって、目の前の光景が滲んで見る。
 けど、僕はちゃんと見なきゃいけないんだ。
 悪いのは僕。けど、兄ちゃんの表情はあきらめちゃいないって言ってる。あいつらに屈服したんじゃないぞって、闘志の炎を燃やし続けてる目だ。
 だから僕は、そんな兄ちゃんの闘いを見続ける義務がある。決して目をそらすことなく……。

「お前、佐々木の弟か?」
 学校から帰るところで、僕は呼び止められた。
 振り返ると、なんか妙に丈の短い学ランを着たおっかなそうな人が僕を睨んでる。頭一つ僕よりも背が高い。結構強そうな体つきだけど、兄ちゃんほどじゃないな、なんて僕は考えていた。
「はい、僕は佐々木悠介です。何かご用でしょうか?」
 できる限り丁寧に答える。襟の校章は、この人が2年生だってことを示してる。多分、兄ちゃんの知り合いなんだろう。
 髪の毛は脱色してあって、それをツンツンととんがるようにワックスで固めてあるみたいだ。まともな感じの人には見ない。
 僕も兄ちゃんも部活には入ってないけど、学校の先輩や先生には礼儀正しく振る舞えって兄ちゃんはいつも言ってる。
「ふん、さすが京介の弟だぜ。生意気そうなツラしてらあ」
 例え、相手がどれほど無礼で悪いヤツだったとしても、だ。
 僕は、すぐに目の前の先輩が兄ちゃんの敵だってわかった。
 さっきも言った通り、僕も兄ちゃんも部活には入ってない。僕は、逞しい兄ちゃんに追いつくために訓練してるから、部活をやってる暇がないけど、兄ちゃんは時々友達に頼まれて部活の助っ人なんかをやってるみたいだ。絶対に教えてくれないんで、兄ちゃんが活躍してるのを見たことはないんだけどさ。
 で、そんな兄ちゃんだから、人気もあるけど気にくわないって思ってる奴らもいるみたいで、時々ケンカしてるみたいだった。これもその場面に出くわしたことはないんだけど、たまにケンカで勝ったって自慢げに話をするんだ。僕を相手にその場面を再現するんだから、大変だよ。
 で、この先輩は、兄ちゃんに負けた人なんだろうなって思ってた。
「まあいい。ちょっとつきあって貰うぜ」
 ギロリとその先輩が僕を睨む。けど僕も負けるわけにはいかない。目をそらさないようにその人を見返した。
「僕はこれから家で用事があるんです。すいませんが先輩におつきあいできません!」
 一息で言い切ると、もう一度その先輩を睨んだ。こめかみに血管が浮き出てるな……。僕みたいな1年坊主に言われて頭に来たみたいだ。
「ふん! そういうとこも兄貴と一緒か。俺が来いっつったら来るんだよ!!」
 先輩が腕を掴んで引っ張ろうとするのを、僕は反対の手で払った。
「いやです!」
 もしかしたら殴られるかもしれないな……。なんて考えていたけど、ここで引き下がるわけにはいかない。僕は兄ちゃん、佐々木京介の弟なんだから。
「ほう、いい度胸してるじゃねえか」
 先輩の目がスッと細くなる。
 殴られる、そう思った瞬間だった。
「うわっ!」
 後からいきなり羽交い締めにされる。僕はじたばたと暴れたけど、しっかりと固められていて抜け出すことができない。
「ふん。あきらめな」
 目の前の先輩がそう言ってニヤリと笑うと、僕の腹に拳を叩き込んだ。
「ぐぇっ!!」
 僕は情けなくも、それで気を失ってしまったんだ……。

 目が覚めた時、僕はソファのようなものに寝かされていた。
「僕、いったい……?」
 朦朧とした意識であたりを見回す。部屋のようだけど、僕の記憶にはこんな部屋はない。
 そこまで思ったところでだんだんと意識がはっきりして、記憶が戻ってきた。
「そうか、僕、あの先輩に気絶させられて……」
 思い出しながら身体を動かそうと思ったけど、動かすことができない。手は後に回されて、何かに縛られてるし、足も、足首のところで縛られてしまっていた。
「と、とにかく助けを……」
 なぜかは知らないが、誘拐されてしまったらしいことは分かる。幸いなことに顔には何もないから声は出せる。窓から助けを呼べば誰か来てくれるかもしれない。僕は不自由な身体をくねらせるようにして、ともかくソファからおりようとした。
 その時、真正面にあったドアが開く。
「おっと、お目覚めか。気分はどうだい? 素直に来てれば痛い目に遭わずに済んだのによ」
 さっき、僕に一発入れた先輩だ。ニヤニヤといやらしい笑いで僕を見下ろしている。
「……!」
 僕は黙って先輩をにらみ返した。
「ふーん。そういう目で見るって訳だ。マジで京介の弟らしいや」
 一瞬、不愉快そうな顔をしてた先輩は、すぐにまたいやらしい笑いを顔に出すと言った。
「俺は、宮城ってんだ。一応京介のクラスメートだぜ。よろしくな」
 口とは裏腹に、その笑いは、よろしくなんてもんじゃない。僕はじっと宮城先輩をにらみ付けていた。何か言うと、口から気力が逃げてしまいそうで、口を開けなかったってのもあるけどさ。
「おいおい、そんなおっかない顔するなよ。お前の兄貴と同じクラスってだけじゃねえんだぜ。おい、拓也! 入って来いよ!」
 呼ばれて誰かが入ってくる。
「み、宮城君?」
 僕は驚いてしまった。入ってきたのは、同じクラスの宮城君だった。クラスで一番背が高くて大きい上に、柔道部で頑張ってるから強いんだろうと思うんだけど、いつも少しオドオドしてた。気が小さいんだと思う。
 けど、先輩と同じ名字ってことは……。
「そうさ。拓也は俺の弟だ。兄弟とも同じクラスってのはすげえ偶然だな!」
 そう言って宮城先輩が大声で笑う。耳に残る笑い声だ。
「に、兄さん。もう、止めようよ」
 不安そうな顔で宮城君がお兄さんに言う。
「るせぇっ!」
「うっ! うう……」
 けど、宮城先輩は、宮城君の顔を手の甲で思い切り張り飛ばして黙らせていた。
「いいから、そろそろ始めるぜ。お前は見張ってろ」
「……」
 宮城君はお兄さんの命令通り、僕のそばにやってきてソファに座る。
「ごめん……」
 宮城君が小さな声で僕に謝る。僕は黙って首を横に振っていた。
「宮城! 来やがったぜ、あいつ!!」
 別の人が、ドアのあたりに立っている宮城先輩の所に来る。
「ふん。じゃあ、俺が出るぜ。矢口は手はず通りだ」
「へへっ、楽しみだぜ」
 宮城先輩を呼び捨てってことは、同じ2年生なんだろう。宮城先輩より少し背は小さくて、髪の毛も短め。けど脱色してるのは同じで、耳にはピアスなんかしてる。
 矢口先輩は僕が寝かされているソファまで来ると、ポケットからナイフを取り出して手でもてあそび始めた。
 と遠くの方で言い争うような声が聞こえた。内容までは分からないけど、一人は宮城先輩、そしてもう一人は間違いなく兄ちゃんだった。
「兄ちゃん……」
 僕は思わず呟くと、泣きそうになってしまった。多分、兄ちゃんが来たことで、今まで張りつめていたものが切れかかったんだ。
 けど、まだ助かった訳じゃない。いや、僕がこういう風になってることで、もっとひどいことになるかもしれない。僕は奥歯をギュッと噛みしめると、ドアの向こうの様子に集中した。
「ほら、来いよ! ここだぜ!」
 宮城先輩が、誰かの背中を押すようにして部屋に入れる。
 もちろん、それは兄ちゃんだった。まだ着替えてなかったのか、学ラン姿のままだ。
「兄ちゃん!!」
 僕は叫んでしまっていた。ついでに、こらえていた涙もちょっとこぼれる。
 兄ちゃんはそんな僕の姿を見るとニヤって笑った。
「なに泣いてるんだよ。みっともねえ。まあ、安心しろ、今助けてやっからな」
 笑ったまま兄ちゃんが言う。僕は思わずうなずいていた。本当は涙を拭いたかったけど、縛られてるんでできないのが少し悔しい。
「おいおい、何勝手に話を進めてるんだ?」
 不機嫌そうな声で矢口先輩が言う。
「うるせーな。つるまねえと何もできねえやつは黙ってろ!」
 兄ちゃんが言い返す。
「何を!?」
「矢口、お前はひっこんでろ……」
 兄ちゃんに今にも飛びかかりそうだった矢口先輩を止めるように宮城先輩が前に出る。
「京介、状況は分かってるんだよな?」
「ああ、わかってるぜ。俺に負け続けの宮城と矢口が、無い知恵絞って悪巧みしたってことだろ?」
「ふん、減らず口はいつもの通りだな。矢口!」
 宮城先輩が言った瞬間、矢口先輩が僕の顔にナイフをピタリと当てる。
「弟君の無事を願うなら、大人しくすることだ」
 兄ちゃんは、一瞬だけ険しい顔をしたが、すぐに宮城先輩に向き直る。
「マジ、汚ねえ奴らだ……」
「おっと、口には気をつけろよ? 矢口は気が短いぜ?」
 事実、ナイフの刃先が僕の頬をつつくようにしている。後少し力を込めれば僕の顔が切られちゃうだろう。
 けど僕は、そんなことよりも兄ちゃんの方が心配だった。
「わかった。好きにしろよ。けど、悠介に何かしたら、お前ら地獄行きだからなっ!」
 兄ちゃんが言うと、宮城先輩がフッと鼻で笑う。
「じゃあ、いくぜ……っ!!」
 いきなり、宮城先輩の拳が兄ちゃんの顔面に叩きつけられる。
「兄ちゃん!」
「ぐっ!」
 兄ちゃんは、一歩下がっただけでそれを受け止めていた。
「ったく、正義の味方みてえなツラしやがってよぉ。胸くそ悪いんだよ!」
 今度は重そうな拳が兄ちゃんの腹に吸い込まれた。
「ぐふっ!」
 少し苦しそうな兄ちゃん。けど、日頃の鍛錬のおかげなのか、すぐに体勢を立て直して宮城先輩をじっと睨んでいる。
 けど、僕としては限界だった。
「兄ちゃん! 僕は大丈夫だから! だから、だから!!」
 けど、兄ちゃんはそんな僕の方をじっと見つめる。
 ドクン、と僕の心臓が鳴った。まだ兄ちゃんはあきらめてない。
 昔、まだ兄ちゃんが4年生で僕が3年生の時、二人して冒険と称してかなり遠くまで自転車で遠征したことがあった。暗くなってきたのに帰り道がわからなくなって、心細くなって泣き出した時、兄ちゃんは同じような顔で僕をはげましてくれたんだ。
 僕は、泣き言を言わないように歯を食いしばると、兄ちゃんを見返す。兄ちゃんは少し笑ったようだった。
「ちぇ、やりにくい。拓也、来い!」
 今まで、心配そうな顔で見ていた宮城君が、お兄さんに言われてビクッと震えるとノロノロと立ち上がって二人の方へ行った。
「コイツを押さえてろ」
 お兄さんの命令に、一瞬だけためらったけど、宮城君は兄ちゃんを後から羽交い締めにした。
「おら、いくぜ!」
 宮城先輩の攻撃が再開する。
 顔、胸、腹……。力を込めた拳が炸裂する。その度に兄ちゃんは小さなうめき声を出すけど、すぐに宮城先輩の方をにらみ返していた。
 僕は、涙で見にくくなったその光景を、声を出さないように必死になって見ていた。兄ちゃんが闘ってるんだ。僕も負けられない。兄ちゃんが闘ってる姿をしっかりと見続けること。それが僕の闘いだって思ってた。
「ふう。頑丈な野郎だぜ。タイヤでも殴ってるみてえだ」
 呆れたように宮城先輩が言う。後で兄ちゃんを押さえてる宮城君は目をしっかりとつぶってる。多分お兄さんの宮城先輩がこんなことをするのが怖くて見てられないんだ……。
 兄ちゃんは、唇を切ったのか、血を流して少し苦しそうだったけど、まだ目から闘志は消えていない。
「宮城ー。こいつにゃ、そういうのよか、搦め手の方が効くんじゃねえ?」
 僕にナイフを突きつけている矢口先輩が言う。
「ちっ。矢口はやりてえだけじゃねえのか?」
「ははっ! まあ、そうかもなあ」
 睨んでくる宮城先輩にへらへらと矢口先輩が答える。
「まあ、いいや。拓也、もう離していいぞ」
 宮城君がほっとしたように、兄ちゃんを解放する。兄ちゃんは、首を左右に曲げてゴキゴキとさせている。
「なんだ? もう終わりか?」
 口からこぼれた血を拭いながら兄ちゃんが言う。
「ふん。これからが本番だぜ。全部脱いで素っ裸になりな」
 宮城先輩に言われて、一瞬兄ちゃんの表情が強ばる。けど、すぐに潔く服を脱ぎだした。僕のあこがれてる、兄ちゃんの逞しい姿が現れる。兄ちゃんはパンツもためらわずに脱ぎ捨てる。少し恥ずかしいのか顔が赤くなってるけど、前を隠すことなく堂々としていた。
「これでいいのか?」
 兄ちゃんが宮城先輩をにらみ付けながら言う。
「ふん。キンタマがが縮み上がってねえってのは褒めてやるぜ」
 宮城先輩が言う通り、兄ちゃんはキンタマはだらりと垂れていて、こんな状況でもびびってない。僕はそれが嬉しかった。
 と、宮城先輩がズボンのジッパーをおろして、中からチンコを引きずり出す。少し勃起してるのか、頭をもたげてる感じだ。
「しゃぶれ」
 一言低い声で命令する。
 兄ちゃんは、少しだけ悔しそうな顔をしたけど、すぐに宮城先輩の前にひざまずいて、顔を近づけていった。
「兄ちゃん……」
 僕は思わず声に出していた。殴られる兄ちゃんを見るのもイヤだけど、こんなことをさせられている兄ちゃんを見るのはもっといやだった。
「ほらほら、動くんじゃねえよ」
 思わず身を乗り出そうとした僕に矢口先輩がナイフを突きつける。
「……!」
 僕は仕方なくソファにもたれかかる。悔しくて悔しくて、それだけで死んじゃいそうな気分だった。また唇を噛んで、激情を我慢する。
 くちゅくちゅと湿った音が響く。もう宮城先輩のチンコは完全勃起してるらしくて、それが兄ちゃんの口を犯していた。
「上手じゃねえか、京介」
 ニヤニヤ笑いながら宮城先輩が言う。兄ちゃんは、上を見上げるようにしてにらみ付けているけど、口にチンコが突き刺さっていて何も言い返すことはできない。
「おいおい、そんな顔するなよ。お前も楽しませてやるから。おい、拓也」
 チンコをしゃぶる兄ちゃんを呆然と見ていた宮城君が、いきなり呼ばれて驚いた顔をする。
「矢口から薬を受け取って、こいつのケツに入れてやれ」
「え?」
 何を言われたのか分からないみたいで、宮城君がとまどってる。
「拓也くーん、こっちこっち」
 矢口先輩が、いつの間に取り出したのか手にカプセルを乗せている。
 おずおずと宮城君が近づいてくる。
「これ、あいつのケツに入れてあげな。なるべく奥に入れるんだぜ」
 説明しながら矢口先輩がカプセルを渡す。
 それを受け取った宮城君がどうしたらいいかわからず、困ったように宮城先輩の方を見た。
「ほら、京介。いいもん入れてやるから、ケツを上げな」
 言われて兄ちゃんは、チンコをくわえたまま前に手をついて四つんばいになってお尻を上に持ち上げる。
「ほら、入れてやれ。ちょっとツバをつけりゃ入ってくだろ」
「う、うん……」
 宮城君は、ためらいながらもカプセルと自分の指にツバを付ける。そのまま兄ちゃんのお尻にカプセルを持って行った。
「ん……!」
 僕の位置からは見ないけど、宮城君の腕に力がこもってるから、あのカプセルを兄ちゃんの中に入れてるんだろう。チンコをくわえている兄ちゃんの顔が少しひずんでいる。
「入ったか?」
 手を引っ込めた宮城君に宮城先輩が訊く。
「多分……。ねえ、これ何の薬なの?」
 不安そうに宮城君が訊くと、宮城先輩も矢口先輩も面白そうに笑った。
「へへ! それはなあ、男のケツをマンコに変える薬だぜ」
 宮城先輩がニヤニヤ笑ってる。
「即効性だからな。すぐに効いてくるぜ」
 僕の隣で矢口先輩もおかしそうに言う。
 兄ちゃんはそれを聞いているはずなのに、何も言わず、宮城先輩のチンコをしゃぶり続けている。
「へっ! 動じないって訳か。その憎たらしいツラがどう堕ちていくか楽しみだぜ」
 そう言いながら宮城先輩が腰を振る。チンコに喉を突かれて兄ちゃんが苦しそうな表情をするけど、必死になってしゃぶり続けていた。
 そのまま、ピチャピチャとしゃぶる音だけが響く。けれど、すぐに変化があった。
「お、そろそろ効いてきたみてえだな」
 嬉しそうに宮城先輩が言う。その視線は、兄ちゃんの股間にあった。
 指摘の通り、さっき入れられた薬が効いてきたんだろうか、兄ちゃんのチンコが天をつくように勃起していく。
 逞しいチンコが兄ちゃんの鼓動に合わせるようにビクビクと震えながら固くなっていく。僕よりも皮が剥けるけど、それでも頭の三分の一位だけ顔を覗かせているだけだ。
「へへへ。じゃあ、そろそろいいか。おい、今度は矢口のをしゃぶってやれ」
 宮城先輩が、兄ちゃんの髪の毛を掴んでチンコから引きはがす。
 兄ちゃんは、宮城先輩を睨んでいたけど、すぐに矢口先輩の方を向かされた。
「こっちは準備オッケーだぜ」
 矢口先輩も、ズボンのジッパーをおろしてチンコを取り出している。こっちは完全に勃起してるみたいだ。
 ソファに座ったまま、兄ちゃんに手招きしてる。
「おら、四つんばいのまんま、犬みたいにしてご奉仕してやれ」
 宮城先輩が言うと、兄ちゃんは言われた通り四つんばいのまま、矢口先輩の方に近づいてくる。
 少しだけ、兄ちゃんと目を合わせることができた。その目はまるで「安心しろ」って言ってるみたいに力強かった。僕はそれにうなずくと、兄ちゃんが受けている陵辱から目を離さないように、そして妙な悲鳴を上げないようにグッと歯を噛みしめる。
 兄ちゃんは大きく口を開けると、矢口先輩のチンコを一飲みで飲み込んだ。
「おお、すげえ」
 矢口先輩が声を上げる。手は兄ちゃんの頭を押さえつけるようにして、腰を小刻みに動かしていた。
「ぐっ、ぐふっ! ぐぅっ!!」
 兄ちゃんが喉を突かれて苦しそうに矢口先輩のチンコをしゃぶってる。
「佐々木の口、メチャクチャ気持ちいいぜ。佐々木も、口を犯されて気持ちいいだろ? あの薬、結構効くからなあ」
 矢口先輩は嬉しそうに言った。
 僕は……。
 僕は、どうしちゃったんだろう。
 おかしいんだ。さっきは、少し離れたたから、兄ちゃんの顔がここまではっきりとは見なかった。けど今は、すぐ隣だから兄ちゃんの苦しそうな表情がよくわかる。苦しそうなのに、無理矢理チンコしゃぶらされて悔しいはずなのに、それは僕の責任なのに。
 なのに、僕の心臓はドキドキと激しく波打って、チンコの奥がカーッと熱くなってくる。いじめられている兄ちゃんを見て、僕の中の何かが激しく僕を揺さぶってる感じだった。
 僕がゴクッとツバを飲み込んだ時、宮城先輩が近づいてきた。
「じゃあ、そろそろ貰うぜ」
 さっきからさらけ出したままのチンコを手に、兄ちゃんの後に立つ。
「痛えかもしれねえけど、俺のチンコに噛みついたら、弟君が大変なことになっちゃうからな。気をつけろよ」
 ニヤッと笑って矢口先輩がこれ見よがしに僕にナイフを突きつける。
 怒りを孕んだ眼差しで兄ちゃんがにらみ付けた時、宮城先輩が兄ちゃんの腰を掴んだ。
「いくぜ、覚悟しろよ!」
 一言そう言うと、腰を前に突き出す。
「んぐーっ!!」
 兄ちゃんが目を剥いて、喉の奥かからくぐもった悲鳴を上げる。
「兄ちゃん!」
 僕はまた叫んでしまっていた。
「一気にいったからなあ。さすがにきつかったか? ま、京介なら大丈夫だろ?」
 ニヤニヤと笑って宮城先輩が言う。
 そう、宮城先輩のチンコが兄ちゃんのお尻を犯してるんだ。あんなに太いものを入れられて無事でいるはずがない。けど兄ちゃんは、苦しそうな表情だったけど、必死に耐えて矢口先輩のチンコをしゃぶってた。
「さて、気持ちよくして貰ったお礼をしなきゃな」
 矢口先輩はそう言うと、兄ちゃんの髪の毛を掴んで引きはがす。
「う……」
 わずかに苦しそうな声が兄ちゃんの口から漏れた。
「兄ちゃん……」
 僕が声をかけると、兄ちゃんは少しだけ口の端で笑った。
「かなり効いてるんだろ? 素直になった方がいいぜ?」
 宮城先輩がゆっくりと腰を動かしながら言う。
「うるせえよ、変態共。さっさと精液ぶちまけて終わりにしろ」
 兄ちゃんが言う。
 けど宮城先輩も矢口先輩も、そんな兄ちゃんの台詞をニヤッと笑って流してる。
「佐々木、わかってるんだぜ? もう、身体の奥が熱くてしょうがないんだろ?」
 矢口先輩が兄ちゃんの胸に両手を置きながら言う。
「……!」
 図星だったのだろうか。兄ちゃんが悔しそうに顔をひずませる。
「こんなに身体が熱くなってるしな」
 そう言いながら、矢口先輩の手が兄ちゃんの大胸筋を確かめるようにゆっくりともみ始める。
 逞しい筋肉が、矢口先輩の手の動きに合わせてビクビクと痙攣する。兄ちゃん、本当に感じてるんだ……。
「ほら、乳首だってこんなに固くなってるじゃん」
「うう……!」
 両方の乳首をつままれて、兄ちゃんの顔がゆがむ。けど矢口先輩は面白そうに兄ちゃんの乳首をもてあそび続けた。
「ほら、もっと気持ちよくして欲しけりゃ、またしゃぶれ」
 後から宮城先輩が言う。兄ちゃんは悔しそうにしてたけど、素直に矢口先輩の股間に顔を埋めた。
「気持ちよかったら、ご褒美におっぱいを責めてやるからな。気張れよー?」
 バカにしたような口調で矢口先輩が言う。兄ちゃんは、チンコを口の奥深くまで飲み込むと、顔を上下に動かし始めた。
「そうそう。頑張ったらご褒美を上げるからな?」
 そう言いながら矢口先輩の手が兄ちゃんのおっぱいをやわやわと揉む。それだけで感じちゃうのか、兄ちゃんは身体をビクビクと痙攣させていた。
 僕はもう限界だった。
 兄ちゃんがこうやって辱められてるところを間近で見せられて、悔しさと怒りと、そしてそれを覆い尽くすような興奮に襲われてた。
 さっきから熱くなっていた僕のチンコは、すっかり勃起してる。
 そう、僕は犯されてる兄ちゃんを見て欲情しちゃったんだ。恥ずかしいし、悔しいけど……。
 宮城先輩がそんな僕を見ながらニヤニヤ笑ってる。腰はズンズンっていった感じで兄ちゃんの中をえぐったままだったけど。
「さて、一発目、いくぜ!?」
 宮城先輩が腰の動きを速くする。
 兄ちゃんは目をつぶって衝撃に耐えていた。ううん、衝撃だけじゃない。多分、気持ちいいんだ。だって、兄ちゃんのチンコ、さっきから透明な汁をトロトロと際限なく垂らし続けてるんだから。薬の効果だと思うけど、兄ちゃんは感じてる。それは間違いなかった。
「くぅっ! いくっ! いくぜ! 京介の中にぶっ放すぜ!!」
 宮城先輩が叫びながら兄ちゃんの中に射精する。
「ううっ!」
 チンコをくわえたまま、兄ちゃんがうめき声を上げる。
「マンコにされた気分はどうよ? これはこれで気持ちいいだろ?」
 矢口先輩が兄ちゃんをバカにしたように言う。
「ふう。たっぷり種付けしてやったぜ」
 そう言いながら宮城先輩が兄ちゃんの中からチンコを引き抜く。
「こぼすなよ?」
 最後に兄ちゃんの耳元でそう言うと完全に引き抜いた。兄ちゃんは、眉をひそめてる。多分、お尻に力を入れて、宮城先輩の精液をこぼさないように必死なんだ。
「じゃあ、次は俺の番だな。おら、後向けよ」
 矢口先輩がそう言うと、兄ちゃんはくわえていたチンコを口から出して、素直に後ろを向く。
「そのまま、俺の上に座るんだ」
 命令された通り、兄ちゃんが腰をおろしていく。一瞬だけ見たお尻の穴は、さっきまで宮城先輩のチンコを突っ込まれたせいで、赤く腫れ上がっていて、白い精液がこびりついていた。
 矢口先輩は、兄ちゃんの腰を掴むと、自分のチンコの上に誘導する。チンコの先が穴にぴたりと当てられた。
「じゃあ、いく……ぜっ!」
「ぐあっ!!」
 矢口先輩が兄ちゃんの身体を一気に自分の上に落とす。当然、チンコは一瞬にして兄ちゃんの中に飲み込まれていた。兄ちゃんの口から悲鳴が漏れる。
「おー、宮城のザーメンで中がいい感じになってるぜ」
 腰を動かしながら矢口先輩が言う。
 兄ちゃんは、声を出さないように歯を食いしばってるようだ。
「じゃあ、俺のをきれいにして貰おうか」
 宮城先輩が犯されてる兄ちゃんの前に立つ。少し萎えかけて精液まみれのチンコが兄ちゃんの口に突きつけられた。
「ほら、きれいにしろ」
 宮城先輩が命令すると、兄ちゃんは口を開けてそれを含んだ。
「ん……!」
 色々な体液にまみれて、臭いだろうそれを兄ちゃんは必死にしゃぶってる。
 しかも、後は矢口先輩に貫かれて小刻みに揺すられてるんだ。
 でも兄ちゃんは感じてる。薬のせいなのは間違いないけど、全身を赤く染めて、チンコはガチガチに勃起してる。
「どうだ? 俺達の仲間に入るなら、もっと気持ちよくしてやるぜ?」
 宮城先輩がそう言いながら兄ちゃんの頭に手を置く。
 けど、兄ちゃんはそんな宮城先輩を見上げて首を横に振った。
「ふん! まあ、もう少し調教が必要か」
 宮城先輩はニヤッと笑う。しゃぶられている間に復活したのか、すっかり大きくなったチンコをゆっくりと兄ちゃんの口に抜き差し始めた。
 上の口も下の口もチンコに塞がれて兄ちゃんが苦しそうにしてる。
 僕はそんな兄ちゃんの姿に、また空ツバを飲み込んでいた。
「そろそろいくぜ!」
 存分に兄ちゃんを犯していた矢口先輩がそう言うと、小刻みだった腰の動きを大きくする。
「じゃあ、俺は顔を汚してやるか」
 宮城先輩も兄ちゃんの口を遠慮無く犯しながらそう言った。
「んっ! んんっ! く……、もう、いくっ! いくぜっ! いくーっ!!」
 激しく腰を動かしながら、矢口先輩が兄ちゃんの中に射精する。
「俺もだ。京介、受け止めろよ!!」
 宮城先輩は、兄ちゃんの口からチンコを引き抜くと手でしごき始める。
「くぅっ!!」
 くぐもった声と一緒に、射精が始める。白くて粘っこい液体が、兄ちゃんの顔を汚していく。
「ふう……。たっぷりと種付けしてやったぜ。俺のもこぼすなよ」
 矢口先輩がそう言いながら兄ちゃんを立たせる。
 兄ちゃんのお尻も、溢れた精液で白く汚れていた。
「ふん! いいツラだぜ」
 宮城先輩は兄ちゃんの顎を手で持ってそう言った。確かに、兄ちゃんの顔は宮城先輩の出した精液がベットリとかかってひどいことになっている。
「さて、次はどうすっかな……」
「へへ、時間はたっぷりあるし、薬だってまだまだ効いてるはずだぜ」
 二人の先輩がいやらしい笑いを浮かべながら相談してる。
 とその時だった。
「もう、もう止めてよ、兄さん!!」
 呆けたように傍観していた宮城君が叫んだ。
「ああ? 何言ってんだ? お前は俺の命令を聞いてりゃいいんだよ!」
 お兄さんに睨まれて宮城君が怯む。けど、もう一度意を決したように宮城先輩を見据えた。
「こんなことしてどうするんだよ! 兄さんは、こんな……、こんな卑怯なことするヤツじゃなかっただろ!?」
「うるせえっつってんだよっ!!」
「ぐっ!」
 宮城先輩の右ストレートが宮城君の顔に決まる。けど、一瞬ふらつくだけで、宮城君は持ちこたえた。
「兄さんはワルだけど、卑怯者じゃなかったはずだ! それなのに、それなのに……!」
 そう言いながら宮城君が一歩前へ出る。前には涙が浮かんでいた。
「な、なんだってんだよ!」
 クラスでも、こんな迫力のある宮城君を見たことはない。宮城先輩も矢口先輩も思わず一歩引いていた。
「もうこんなこと止めてって言ってるんだよ!」
 二人の先輩を威嚇していた宮城君が、隙をつくように僕の方に突進してくる。
「な、何を!?」
「おいっ!」
 二人の先輩が焦るけれど、遅い。小柄な僕は宮城君に抱きかかえられるようにしてソファから転げ落ちていた。
「佐々木先輩! 佐々木君は僕が守ります。だから、兄さんを!」
 宮城君の大きな体に抱きかかえられていて僕の目からは見なかったけど、兄ちゃんが反撃に出たみたいだ。あれだけ痛めつけられて、犯されて、大丈夫かって思ったけど、3分も経たずに決着はついたようだった。
「終わったぜ。もう大丈夫だ」
 兄ちゃんの声に佐々木君がようやく僕の上から離れる。
 目に入ってきたのは、素っ裸のままだけど得意そうに笑ってる兄ちゃんと、伸びちゃってる矢口先輩。それに兄ちゃんに胸を踏みつぶされて悔しそうな顔をしている宮城先輩だった。
「あ、あの……! 申し訳ありませんでしたっ!!」
 宮城君が身体を直角に折り曲げて兄ちゃんに謝ってる。
「拓也! お前、何……ぐっ!」
 文句を言いかけた宮城先輩の顎を兄ちゃんが蹴り上げる。
「バカ野郎!」
 兄ちゃんが一喝する。
「佐々木先輩! に、兄さんの責任は僕が取ります! だから、これでもう兄さんをっ!!」
 宮城君が宮城先輩をかばうようにして兄ちゃんの前に立つと、また頭を下げた。
「好きなようにぶちのめして下さい。それで……、それで兄さんを……」
 兄ちゃんが宮城君の前に立って、じっと見つめる。宮城君はその視線を受け止めて、静かに立っている。
「兄ちゃん……」
 僕が声をかけても、兄ちゃんはそのまま宮城君を見つめていた。
「わかった……」
 兄ちゃんが拳を握って構える。宮城君が目を閉じた。
 すっと兄ちゃんが拳を後ろに引く。その時だった。
「勝手に話を進めるんじゃねえよっ!」
 宮城君の後ろから宮城先輩が声を張り上げて立ち上がった。
「何、勝手に責任を取るだの何だのと……」
「兄さん!」
 宮城君が振り返って言う。けど、宮城先輩はそんな弟の肩に手をかけてどかすと自分が前に出た。
「弟に責任取らすわけにゃいかねえだろが。ほれ、何発でもいいぜ。思う存分やりやがれ。その代わり、拓也にも矢口にも手出しは無しだ。いいな」
 兄ちゃんは自分をにらみ付ける宮城先輩をじっと見つめていたが、ふっと笑った。
「まあ、虫のいい話だけど、認めてやらあ」
 兄ちゃんが改めて拳を握りしめる。
 今度は宮城先輩が目をギュッとつぶると、上半身を少し兄ちゃんの方に突き出す。
 兄ちゃんは思い切り拳を引くと、宮城先輩の顔に向けて放った。
 ガキッといういやな音と共に、宮城さんが後ろに吹っ飛ぶ。
「兄さん!」
 宮城君が兄さんの身体を必死に受け止めた。そのまま宮城先輩は、ズルズルと宮城君にもたれかかる。既に気絶しているようだ。
「とりあえず、これで帳消しにしてやる。けど、次に俺の弟に手を出したら地獄を見て貰うからな。目が覚めたらそう言っとけ」
「はい……」
 兄ちゃんはニヤッと笑うと、僕を縛っていた縄を解いてくれた。
「まったく、こんな奴らにつかまるなよ……」
 あきれ顔で言う兄ちゃん。
「ゴメン……」
 頭を下げると、兄ちゃんがその頭に手をポンポンと乗せてくる。
「ま、いっか帰ろうぜ」
 兄ちゃんはそう言ってパンツを手に取る。
「兄ちゃん、それ……」
 僕の視線の先には、勃起したままの兄ちゃんのチンコがある。
「あ? ああ、なんかさっきの薬のせいで収まんねーんだ」
 何でもなさそうに兄ちゃんが言うけど、その表情はちょっと苦しそうだった。
 それでも、なんとかパンツにチンコを収めると、脱ぎ捨てた服を着始める。
「ちぇ、みっともねえ」
 当然のごとく、ズボンはテントを張ってる。でも、兄ちゃんはあまり気にした風でもなかった。
「じゃあな。」
 兄ちゃんがニヤッと笑うと部屋の外に出る。
「佐々木君もゴメン。こんなことしちゃって、僕が……」
「いいって!」
 僕は宮城君の言葉をさえぎった。
「兄ちゃんがちゃんと仕返ししてくれたし。それでチャラって言ってるんだから。それで貸し借り無し。いいよね?」
「う、うん……」
 宮城君は少し困った顔で、それでも安心したのかうなずいていた。
「じゃあ、僕も帰るね。って、ここは、どこ?」
「あ、そうか。ここは、兄さんの部屋なんだ。父さんの名義で借りてるマンションなんだけどね……」
「へえ……」
 中学生が一人暮らしってのは妙だった。しかも家族が近くにいるのに……。けど、その家にはその家なりの事情があるんだろう。僕はあまり追求する気はなかった。
「外に出れば、場所は分かるよ。佐々木先輩も一人で来たんだし」
「そっか、そうだね。じゃあ」
 僕はそう言うと、兄ちゃんを追いかけて外へ出た。
「おせーぞ!」
「ごめん!」
 兄ちゃんは、マンションの廊下で待っててくれた。
 宮城君の言う通り、ここは結構高そうなマンションだ。
「さ、帰ろうぜ」
「うん!」
 僕はそう言って兄ちゃんの横を歩く。けど、ちょっと視線を下げると、テントを張った学生ズボンがどうしても目に入ってしまう。
「兄ちゃん、大丈夫?」
「あ? まあ、もう暗くなってるし家までは大丈夫だろ?」
 こともなげに言う兄ちゃん。けど、僕としては、ちゃんと責任を取らないと。
 エレベーターに乗り込んだ時に僕は兄ちゃんを真正面から見た。
「僕、兄ちゃんの治療するから!」
「は?」
 兄ちゃんが驚いてる。
「だって、ここどうにかしなきゃ……」
 さすがに恥ずかしくなって僕が言うと、兄ちゃんがニヤニヤ笑った。
「へへへー。なんだ、悠介もサカリがついたか? まあ、悠介がつかまったせいだしな。今日はご奉仕して貰おうか!」
「う、うん……」
 勢いで言ったものの、絶倫の兄ちゃんを鎮めることができるのか。僕は少しだけ不安だった。

(続く)